女性の賃金が過去最高、男性も2年連続で上昇
厚生労働省の2015年賃金構造基本統計調査によると、女性の賃金が過去最高となったことが分かった。男性の賃金も2年連続で上昇した。
厚労省が全国5万785事業所(常用労働者10人以上)の昨年6月の賃金を集計したところ、一般労働者(短時間労働者除く)の男女計は30万4000千円(42.3歳、勤続12.1年)、男性は33万5100円(43.1歳、勤続13.5年)、女性は24万2000千円(40.7歳、勤続9.4年)だった。
前年に比べ男女計は1.5%、男性は1.7%、女性は1.7%それぞれ増加した。男女計、男性、女性のいずれも2年連続の増加で、女性の賃金は過去最高となった。
企業規模別では、男性は、大企業(常用労働者1000人以上)が38万7700円(前年比1.5%増)、中企業(同100~999人)が32万300円(同2.6%増)、小企業(同10~99人)が28万8500円(同0.9%増)、女性では、大企業が268.4千円(同1.2%増)、中企業が240.4千円(同2.8%増)、小企業が216.4千円(同0.8%増)で、男女ともに全ての企業規模において前年を上回った。
賃金がピークとなる年齢は、男性は全ての企業規模において50~54歳で、大企業は51万4800円、中企業40万6700円、小企業33万2500円。女性は、大企業と小企業において45~49歳で、大企業30万7300円、小企業23万2900円。中企業は50~54歳で、26万8900円。
産業別では、男性は、金融業,保険業(48万2300円)が最も高く、教育,学習支援業(44万2200円)、情報通信業(41万2500円)も40万円を超えた。一方、宿泊業,飲食サービス業(27万円)、運輸業,郵便業(27万5200円)、生活関連サービス業,娯楽業(28万8900円)は30万円を下回っている。
女性は、情報通信業(31万3700円)、教育,学習支援業(30万7500円)が30万円を超え、宿泊業,飲食サービス業(19万6200円)だけが20万円を下回っている。
雇用形態別では、男女計は、正社員・正職員32万1100円(41.5歳、勤続12.9年)、正社員・正職員以外20万5100円(46.8歳、勤続7.9年)。正社員・正職員の賃金を100とすると、正社員・正職員以外の賃金は63.9で、賃金格差は過去最小となった。賃金格差が大きいのは、企業規模別では大企業で56.9、産業別では卸売業,小売業で58.9となっている。
男女別に見ると、男性は、正社員・正職員34万8300円(前年比1.5%増)、正社員・正職員以外22万9100円(同3.1%増)、女性は、正社員・正職員25万9300円(同1.1%増)、正社員・正職員以外18万1000円(同1.0%増)となっている。正社員・正職員以外は、男女いずれも年齢が高くなっても賃金の上昇がほとんど見られない。
配信元:日本人材ニュース