違法な時間外労働 調査事業場の半数で摘発
厚生労働省が長時間労働などが疑われる事業場に重点監督を行った結果によると、半数以上の事業場で違法な時間外労働が行われていたことが分かった。
2015年4~12月に監督指導を行った8530事業場のうち、何らかの労働基準関係法令違反が見つかったのは6501事業場(全体の76.2%)だった。業種別では「接客娯楽業」(88.3%)、「運輸交通業」(86.8%)で8割を超えた。
主な違反内容は「違法な時間外労働」(4790事業場、56.2%)、「過重労働による健康障害防止措置が未実施」(1272事業場、14.9%)、「賃金不払残業」(813事業場、9.5%)など。
違法な時間外労働があった4790事業場において1カ月当たりの残業時間が最も多い従業員を確認したところ、約6割が「100時間超」(2860事業場、59.7%)で、そのうち475事業場が150時間超、うち93事業場が200時間超、うち27事業場が250時間超となっている。
違反事例には、「始業・終業時刻を全く把握しないまま、36協定の締結・届出をせず、複数の労働者に月約100時間の違法な時間外労働を行わせるとともに、割増賃金を全く支払っていなかった(卸売業)」、「違法な時間外労働を行わせていたほか、管理監督者に該当しない労働者を管理監督者として取り扱い、割増賃金を支払わず、また、年少者(満18歳未満)の学生アルバイトについて、年齢の証明書を備え付けていなかった(小売業)」、「36協定の締結・届出をせず、最も長い労働者で月約120時間の違法な時間外労働を行わせるとともに、一定の金額以上の割増賃金を支払わず、かつ、学生アルバイトについて、労働条件を書面で明示していなかった(飲食店)」などが見られた。
配信元:日本人材ニュース