大手・中堅企業 事業拡大や新規事業進出で中途採用
大手・中堅企業が事業拡大や新規事業進出を理由に中途採用を行っていることが、厚生労働省の転職者実態調査で分かった。
2015年10月1日現在で、転職者がいる事業所は35.7%。産業別では「情報通信業」が48.7%と最も高く、次いで「運輸業,郵便業」が48.5%、「医療,福祉」が45.3%と続く。
転職者の採用に当たり重視した事項(複数回答)をみると、「人員構成の歪みの是正」(43.5%)、「既存事業の拡大・強化」(40.0%)、「組織の活性化」(31.4%)が多かった。
事業規模が大きいほど、「既存事業の拡大・強化」「新規事業分野への進出」「新技術の導入・開発」などを理由とする採用が多くなっている。
「人員構成の歪みの是正」が多かった産業は「生活関連サ-ビス業,娯楽業」(56.2%)、「宿泊業,飲食サ-ビス業」(52.0%)、「卸売業,小売業」(50.3%)、「既存事業の拡大・強化」が多かった産業は「情報通信業」(69.9%)、「建設業」(55.7%)、「卸売業,小売業」(49.3%)、「組織の活性化」が多かった産業は「金融業,保険業」(44.8%)、「生活関連サ-ビス業,娯楽業」(38.4%)、「情報通信業」(37.6%)だった。
今後3年間に中途採用の予定がある事業所は52.6%。事業所規模が大きいほど採用予定の企業の割合が高い。
産業別では「情報通信業」が70.5%で最も高く、「生活関連サ-ビス業,娯楽業」(65.5%)、「運輸業,郵便業」(65.1%)、「医療,福祉」(56.6%)、「建設業」(56.3%)、「宿泊業,飲食サ-ビス業」(55.7%)「サービス業」(55.6%)、「不動産業,物品賃貸業」(54.2%)と幅広い産業の企業が採用を予定している。
新卒採用との優先順を見ると「転職者を優先して採用したい」が33.2%、「新規学卒者を優先して採用したい」が12.2%となっている。
「転職者を優先して採用したい」と回答した割合が高い産業は「運輸業,郵便業」(61.2%)、「サービス業」(47.9%)、「鉱業,採石業,砂利採取業」(45.2%)となっている。
一方、「新規学卒者を優先して採用したい」と回答した割合が高い産業は「電気・ガス・熱供給・水道業」(24.6%)、「不動産業,物品賃貸業」(21.0%)、「金融業,保険業」(20.4%)となっている。
事業所規模が小さいほど中途採用を優先する企業の割合が高い傾向が見られる。
採用予定の転職者の職種(複数回答)は「専門的・技術的な仕事」が45.1%で最も多く、「販売の仕事」と「サービスの仕事」がともに28.0%で続いた。
調査は2015年10月1日現在の状況について、2015年9月28日~10月15日に実施し、1万514事業所から回答を得た。
配信元:日本人材ニュース