最低賃金改定で3社に1社が給与体系見直し
10月の最低賃金の改定を受けて、3社に1社が給与体系を見直していることが、帝国データバンクの調査で分かった。小売業界では給与体系を見直す企業が5割近くとなっている。
最低賃金の改定を受けて給与体系を「見直した(検討している)」企業は35.0%、「見直していない(検討していない)」企業は49.1%となった。
業界別に見ると、非正規社員を多く抱える「小売」(48.9%)や「運輸・倉庫」(43.4%)、「製造」(41.0%)で4割を超えた。
【業界別 給与体系を“見直した”企業の割合】
小売 48.9%
運輸・倉庫 43.4%
製造 41.0%
農・林・水産 37.3%
サービス 31.7%
卸売 31.0%
建設 30.9%
不動産 23.0%
金融 18.1%
地域別では、「見直した(検討している)」企業は「北海道」(43.4%)が最も高く、「九州」(40.7%)、「中国」(40.2%)で4割を上回った。
【地域別 給与体系を“見直した”企業の割合】
北海道 43.4%
九州 40.7%
中国 40.2%
近畿 36.1%
東海 35.4%
四国 34.0%
東北 34.6%
北陸 34.2%
北関東 33.3%
南関東 31.3%
従業員を実際に採用するときの最も低い時給は全体平均で約958円となり、最低賃金の全体平均823円を135円上回っている。
特に、「東京都」では最低賃金と採用時最低時給の差額が最も大きく165円。
次いで、「島根県」(162円)や「沖縄県」(161円)、「鹿児島県」(159円)、「福岡県」(156円)が続き、西日本を中心に差額が大きくなっている。
今回の引き上げ額について「妥当」と考える企業は40.5%で、「高い」(11.6%)、「低い」(18.1%)を大きく上回った。
自社の業績に対して「影響はない」が57.9%。「プラスの影響がある」は1.7%で、「マイナスの影響がある」が21.7%と2割を超えた。
また、今回の最低賃金の引き上げによって今後の消費回復に効果が「ある」と考える企業は10.2%にとどまる一方、効果が「ない」は53.7%と半数を超えている。
調査期間は9月15日~9月30日、調査対象は全国2万3710社で、有効回答企業数は1万292社(回答率43.4%)
配信元:日本人材ニュース