求人数は34カ月ぶりに減少、転職希望者数は増加 パーソルキャリア調べ
人材サービスのパーソルキャリア(東京・千代田、峯尾太郎社長)がまとめた「DODA 転職求人倍率レポート」によると、9月の転職求人数は前月比2.0%減、転職希望者数は同1.1%増となっている。求人数は33カ月間過去最高値が続いていたが、9月は微減となった。
求人数は前月比2.0%減、前年同月比15.8%増、転職希望者数は前月比1.1%増、前年同月比33.6%増だった。求人倍率は前月比0.08ポイント減の2.36倍となった。
業種別にみると、求人数が増加したのは9業種(その他を含む)のうち「IT・通信」「メディア」「メーカー」「商社・流通」の4業種だった。特に伸びたのは、「メディア」(前月比3.3%増)、「メーカー」(同1.9%増)。
「メディア」では、企業がWeb関連のマーケティング投資を増やしていることから、Webマーケティングに関わる広告代理店や制作会社、コンサルティング会社で求人数が増えている。これまで求人数の多かった営業やクリエイティブ関連の職種に加えて、システムエンジニアや、企画管理部門などの採用も活発化している。
「メーカー」では、EVや自動運転の開発に力を入れている自動車関連やIoT化を進める産業機械の分野で求人数が増加した。また、引き続き化学メーカーでも採用が活発化している。
【業種別 求人数増加率(前月比)】
メディア 3.3%増
メーカー 1.9%増
IT・通信 1.5%増
商社・流通 0.4%増
金融 0.7%減
小売・外食 0.9%減
その他 1.1%減
メディカル 3.7%減
サービス 7.4%減
職種別では、求人数は11職種のうち「企画・管理系」「技術系(IT・通信)」「技術系(化学・食品)」「クリエイティブ系」「事務・アシスタント系」の5職種で増加した。
特に伸びたのは「事務・アシスタント系」(前月比5.0%増)、「クリエイティブ系」(同3.4%増)だった。
「事務・アシスタント系」では、人員不足を補おうとアシスタントの求人が増えているほか、契約社員の求人では半期の節目のこの時期に新たに募集を始めるポジションが増加した。
「クリエイティブ系」では、引き続きWebディレクターなど、インターネット関連の職種で採用が活発だ。
【職種別 求人数増加率(前月比)】
事務・アシスタント系5.0%増
クリエイティブ系 3.4%増
技術系(IT・通信) 2.8%増
技術系(化学・食品)2.8%増
企画・管理系 1.5%増
販売・サービス系 0.2%減
技術系(電気・機械)0.3%減
技術系(建築・土木)1.4%減
専門職 3.4%減
技術系(メディカル)4.1%減
営業系 9.7%減
求人数が微減となったことについてパーソルキャリアでは、「採用計画の見直しなどで8月から継続して募集する求人数が減ったことや、上半期の最終月で、すでに募集をしているポジションの採用を確定させる動きを優先したことが要因」と指摘した。
今後については「10月は下半期のスタート月となり、年間採用計画の追い込みを始める企業が多くなるため、求人数は増加するでしょう。転職希望者数も、例年同様増加する見込みであるため、求人倍率は横ばいが続く見込み」とした。
配信元:日本人材ニュース